InterBEE 2019

光学

InterBEE 2019に行って来ました。
一番の目的はやはり、情報が入りづらいオーディオ製品。
気になった製品をいくつかピックアップします。

特殊音響編

マイクなどもVR/AR対応が多くなった気がします。Saptial Audioなんてもう結構前からある技術ですが、スマホに加速度/姿勢センサがついてYoutubeとかが対応してるのでみんなが見れるようになって来ました。半インタラクティブなコンテンツをお手軽に作れるので、そのコンテンツの本質によってはとても面白いものができます。
特に、全天球・半天球カメラと組み合わせて使うため、下の小型マイクヘッドなどは小型で写り込まないようにリグを組めそうな気がします。

サザンアコースティクスのアンビソニック試作品
ZOOM F8 と ゼンハイザー Ambeo によるお手軽アンビソニック

この次のアコースティックカメラはどちらかというと環境測定用で、周波数帯域を指定してその音のする位置を特定できるというものでした。機械産業などの用途を想定していたようですが、うちの中にネズミが入った場合でも探すのに役立ちそうですね。

gfai-tech の アコースティックカメラ
48個のマイクとインテルのRealSenceで測距して音源方向(音源箇所)推定結果を表示する

ミキサー・レコーダ編

Sound Devices がとうとう7xxシリーズの後継機として8xxシリーズを、そのフラッグシップとしてScorpioが展示してありました。888は16ch、Scorpioは32chまでのアナログ入力に対応しており、この1Uもない大きさに一昔前のラック一つ分の機能が収まっています。すごい。

国内メーカのものでもアナログとデジタルが融合した設計になっているものも多く、どういう使い方ができるのか興味深いですね。

SoundDevices 888
SoundDevices Scorpio
SoundDevices Scorpio の右側。SDカードに記録するらしい。音ならそんなもんで十分かな。
SoundDevices MixPre の2chモデル

FBの新型はデジタルとアナログを切り替え可能という代物。なかなか収録だけだといらない気がするけど、送出も考えるとあった方が便利だとおもう。

FourBit PMX-1210
なんとアナログとデジタルを切り替え可能 (ANA DIG スイッチ)
VUメータとピークメータを同時に見れる
Sigma 302。これもVUメータとピークメータを同時に見れるので良さそう
こちらは Sigma の 4chモデル

ライブミキサー編

もうながらくPAはやってませんが、機材は気になります。やはり最近はアウトボードなどを全て内包したタイプの製品が目立ちます。もちろんDante運用を前提としているようですね。完成度もたかそうです。私はYAMAHA LS9がでた頃にはもうPAから離れてしまったので、いつかは使ってみたいですね。

Avid VENUE S6L。これは最小構成だが容易に拡張可能
SSL SystemT S300。これもたぶん最小構成
ラジオ局向けの進行システム一体型
ATとTの共同ソリューション。WEBブラウザでコントロールできるミキサー + レコーダ

その他オーディオ

その他のオーディオ製品です。

S2/TX タッチミキサ
操作音がしないのでキューボックスに最適だとおもう。
シミュレートされたVUメータ。
時定数が可変だったらすごく面白いと思う。
CEDAR DNS 2
学習機能付きのバックグラウンドノイズ抑制装置。
生放送向けかな。後処理でも使えそうなクオリティ。
FOSTEX RS-N2
見た目からしても結構良さそうなスピーカ。重量は70kg。まず部屋から作らねば。

マイク編

マイクの新製品もあります。
今回の注目は三研。参考出品でしたが素晴らしい性能の一品がありました。

Sanken CUP-X1
たぶんCOS-11の後継機的な・・・違うかな。
空気の揺らぎまで捉えるリボンマイク並みの高感度と140dbSPLの耐入力を備えたすごいやつ。
正直なところ、いっぱいほしい。
Sanken WMS-50
これはCMS-7sの後継機のCMS-50をツインマスタングみたいにしたものだと思う。
ロケのサラウンド収録がものすごくお手軽になる。
Sanken CUX-100K
例の100kHzマイクの後継機。
前機種のダイヤフラムに加えてCUP-X1と同じダイヤフラムを積んで、単一/無指向切り替えになる。
サイドアドレスなのが使い方選びそう。
ショップス CMC1 プリアンプ
既存のカプセルも使えるのらしいで音響管の長いマイクでもカメラにつけられるかもね。

カメラ編

カメラ関係の展示を一周回ってみて思ったのは、カメラそのものよりカメラをシステムの一部として展示しているものが多かった気がしました。一昔前に比べてカメラ単体の需要というのはすでに頭打ちかもしれませんね。

RED Ranger
Monstro 8K VVを積んだ16bit 16+STOPのモンスターカメラ。
価格がモンスターなのでレンタル専用らしい。レンタルモンスター。
個人的には照明や日程などに制限のある仕事ほど必要な性能だと思う。
RED用の2TBSSD
これなら8K 30P 12:1 で 2時間 くらいは回せると思う。
4TBがでてくれたら正直欲しいけど、高感度はソニー製のセンサの方が…しかし色深度が…
ARRI ALEXA LF
LFはLarge Format。多分感度もいいと思う。
RED MONSTRO + cmotion Cinefade
明るさを変えずに被写界深度を変えられるデモをやってました。FS5とかでも手軽に同じことができる。
URSA Broadcast
このセットで100万円を切るという超破格カメラ。
今年はもうMiniじゃないURSAはなかったことになってた。
SIGMA fp
いまや飛ぶように売れているフルサイズコンパクト。
が、シネマ風に拡張するとこうなってしまう。
PLのレンズがついてるので多分2-3kgはあると思う。
もうちょっと軽く使いたい。
日立国際電気製の8Kカムコーダ
なんとなーくシャープのあれに似てる。多分開発者が…一緒…

その他の映像製品

Fujinon の例のプロジェクタ(珍獣フジノン)を使った床面投影。
二台で左右から投影するため、人が立っても影ができない。
22.2chオーディオデコーダー
そもそも8K放送は画面がでかくないと意味ないので、普及するかは疑問である。
街頭テレビとしては最高かもね。
EPSONとYAMAHAによる統合音楽投影システム
ピアノはMIDI駆動されており、実際のピアノの音が鳴り響く。
バンダイ の LITTLE JAMMER のリアル版だとおもった。
Libecの新しい軽量三脚。カウンターバランスは固定。固定!? 固定かよ!
PRONEWSの取材してた。

まとめ

オーディオのほうはもはやDante一色になってしまった。ただマイクの新製品はとてもうれしい。
カメラのほうはカメラ単体よりもシステム展示が多くなったので、これから一気に8KやIP放送にシフトするものと思われる。

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