FX3(2021) vs α7S(2014) 高感度比較

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高感度の進化を見たくて

α7Sは2014年のカメラです。動画機としては、外部レコーダを使えば4K収録ができるというちょっと手が出づらいカメラでした。今でこそα7SⅢなどは動画撮影用カメラですが、初代α7Sはどちらかというとマニア向けの高感度キワモノカメラですね。静止画は抜群に高感度が優れており、感度だけなら現在でも通用すると思います。

そこで、最新の高感度番長であるFX3と比較し、現在でも通用するのかをみてみたいと思いました。

比較用RIG

結論から言うと、やはり進化を感じました。とはいえ驚くことに、特定の条件によってはほとんど差がないこともわかりました。

条件

各カメラの条件は以下の通りです。特にα7Sは外部レコーダが必要なため、以前修理したAtomos Ninja Assassin を使います。

共通:4K UHD 29.97fps, PP:OFF, WB:4000K, SS:1/100

α7S + Ninja Assassin

フォーマット:Apple Prores HQ 422 8bit ※α7Sは外部出力でも4:2:2 8bitです。

レンズ:Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS

FX3

フォーマット:XAVC S 4K 29.97p,140Mbps 4:2:2 10bit,MPEG-4 AVC / H.264

レンズ:FE PZ 16-35mm F4

動画

動画比較なので動画があります。4K UHDを横に並べたので7680×2160の動画になりました。

夜の公園

比較する舞台は夜の公園です。肉眼だとほとんど真っ暗で、人がいることはわかるけど木陰などは人がいてもわからんくらいの暗さです。

時系列SS

動画の切り出し画像です。Youtubeでは圧縮されるのでノイズ感はこちらの方がより良く特徴が現れていると思います。

ローリングシャッタ

まずローリングシャッタです。

下の例ではα7Sは約9°、FX3は約3°の傾きになりました。

FX3はα7Sよりおよそ3倍程度、読み込み速度が改善しているようです。

色味

ISO102400までの色味は、正直ほとんど差がありませんでした。

しかしながら、α7Sは暗部が赤に転ぶような感じがあり、それに対してFX3はその傾向がなく、非常に綺麗に色が残ることがわかりました。特にISO:409600でF8まで絞った状態だと、この傾向がよくわかります。

右画像の左下あたりが顕著。

ノイズ感

ノイズ感については、ほとんど同等と言っていいと思いました。

特に、フォーマットの違いでノイズの出方は違うものの、FX3のほうはGOPでの圧縮のために高周波成分が抑えられている感じがしました。ProResで記録したα7SのノイズをH.264で圧縮すればこんな感じなるだろうな、というようなノイズ感です。

特に空の辺りのノイズが、α7SのほうがうるさいがFX3もかなり抑え込んでる感じ

やっぱりFX3に軍配

内部での長時間記録、ローリングシャッタや暗部の色味などを考慮するとどう考えてもFX3のほうが優れています。

正直なところ、ローリングシャッタや色味は比較するまでわかりませんでした。

α7Sもまだまだ使える?

とはいえ、α7Sも大きく劣るわけではなく、むしろ7年経っても、基本的な高感度の画調はほとんど変わらないということがわかりました。これは予想していなかったことです。もっとFX3の方が圧倒的に優位であり、差があると予想していました。

特にこのISO:102400で撮影した画は、ほとんど差がなくて驚きました。

しかしこの大きさ

使い所によってはほぼ同じような使い方ができそうな感じですが、この図体だけは全くもってFX3のほうがいいです。取り回しやすいです。外部レコーダ分の電池の心配もあるので、心理的負荷も高くなります。

謝辞

FX3を快く貸してくれた大塚氏に感謝します。

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